事業承継についてをその道のプロに聞いてきました!

事業承継についてその道のプロに聞いてきました!

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先日、懇意にさせていただいている経営者の方とお話をする機会があり、その時の話題で特に大きかったのが、「事業承継」についての話題でした。


その方は現在60歳前で、息子がゼニエモンと同級生なので小学生くらいから付き合いがあり、20代で起業し当時は会社を誰かに継がせるなど考えたこともなかったが、年齢を重ねると共に息子さんに会社を譲ろうという意思が芽生え、今はその準備で考えなければならない事が非常に多いし、簡単な事だと思っていたが、かなり複雑であるという事を話していました。


その方は事業承継コンサルを受けて、どういう風に継いでもらうことが最も会社にとっても自分や息子さんにとっても良い形になるだろうということの下準備に入っている段階です。


ゼニエモン自身も、今はまだまだ現役なので考えた事もなかったのですが、将来的にもしも考える事がある可能性も0とは言い切れませんし、勉強しておいて損はありません。


という事で、事業承継をこれまでの累積で100社以上手がけた実績のあるその道のプロに事業承継についてを詳しくお話をさせていただきました!


インタビューを受けていただいた方のプロフィール

株式会社アズライト代表取締役紀伊國谷隆さんの写真

株式会社アズライト代表取締役 紀伊國谷隆

1988年アリコジャパン(現メットライフ生命)に入社。
当初から、税理士さんを初めとする「士業」の方と協業し
法人のお客様に特化。
自然と相続対策、事業承継に関わるようになる。
2003年独立し、株式会社 アズライトを設立。
中小企業の頼れるプライベートバンカー的な存在。


事業承継とは?

 

事業承継について
今日はよろしくお願いします。


まず、事業承継といってもまだ自分が現役で誰かに継いでもらうとか全く想像も出来ないので、何となくの意味しか理解していません。


事業承継とはなんぞやというのを簡単に教えていただいてもいいでしょうか?



 

はい。
事業承継とは、
同族会社のオーナー社長が、後継者に事業を承継させることを言います。


スムーズな事業承継のために、重要なポイントが二つあります。


一つ目は、「経営の承継(後継者育成)」についてです。


まずは、後継者候補を決めるところからスタートされますよね?


少し前までは、子供・身内が、「跡継ぎ」になることが多かったのですが昔と比べ今は「後を継ぐ」割合が激減しています。


また、子供が複数いる場合は、兄弟間で、もめないように対策を進めていく必要があります。
経営は、肩書だけを譲って、承継できるものではなく、様々な経営課題を乗り越えることができる後継者を育成する必要があるんですね。



会社をオーナー社長の子供が次ぐ割合が減っている!?

20年以上前と比べると現在は、先代のオーナー社長が親族外の承継比率の構図が大きく変わっています。
以下の資料を見てください。


中小企業庁委託調査「中小企業の事業承継に関する調査に係る委託事業報告書」(2012年11月)


出典:中小企業庁事業承継・廃業―次世代へのバトンタッチ―資料より


 

この20年で大きく変わっているんですね。
親から子へ会社を継いでもらう割合が今は半分程度なんですね。



 

そうなんです。
この時点で検討し対策すべき項目が大きく異なりますがこちらは後ほど詳しく説明させてもらいます。


そして二つ目は、資産の承継。


経営権を支配するためには、会社の株を2/3以上、保有する必要があります。
その会社が、優良企業であればあるほど、その株の価値は高くなります。


これを無対策でその株を引き継ぐと多額の税金を課せられます。


贈与すると贈与税(4500万超で、55%)。相続時に引継ぐと相続税(最高55%)。


会社(=自社株)を引き継ぐためには、その自社株の価格に対する多額の相続税を支払う義務があります。
しかし、一般的に法人には、不動産等の資産はあっても、現金が潤沢に無い場合が多い。



無対策で事業承継を行うと多額の税金が課せられる

 

確かに、それが土地や工場だったり倉庫だったりで現金に替えることが出来ないけど資産価値がある場合は
相続させるための現金の確保が難しいですよね。



 

はい。おっしゃる通りです。
今の社長が、会社の株を100%持っている場合、その会社の株(=経営権)を引き継ぐということは、その会社のすべての資産を引き継ぐことと同じことです。


恒常的に利益が出ている優良企業でも、資金に余裕ができれば新たな設備、システム等に投資したりして、キャッシュは余り残っていないのが、現状です。
場合によっては、個人の資金も会社につぎ込んでいます。


さて、そうすると困った問題が起きます。



 

なるほど・・・
それはどういった問題でしょうか?



 

相続税は、相続評価額に基づいて課税されるので、会社の価値が高いと多額になる。
しかし、価値は高くても、現金が少ないので、相続税を払えない、ということを説明しましたよね。
(相続税は、大原則、相続発生後10か月以内にキャッシュで納税する)


相続税をどうやって捻出すればいいのか?という問題です。


会社の不動産は、事業がらみのことが多く、売却すると本業に支障が出る。


そもそも相続税を支払うのは、個人の財布からなので、法人の資産を切り売りして現金化しても、それそのまま個人が非課税で受取ることはできない。


内容のいい会社なら、銀行が、納税分を融資してくれると思いますが、それでは、後継者は、借金を抱えてのスタートになる。
会社を引き継ぐ為に、個人で銀行から借金をしなければいけない。


そんな状態で、引継ぎたいと思いますか?



 

確かに、事業を引き継いだからにはその事業に注力したいですし、それに代替わり後は結果を先代以上の実績を作りたい代替わり後の意欲満々の時に、通常の経営以外の資金繰りを考えたくないですね、、。



 

そうですよね。
その対策の一つとして、会社の株評価を下げて(評価は下がるが、価値そのものは変わらない)毎年、少しずつ(贈与税が非課税の範囲、あるいは低率の範囲)株を贈与するということは以前から、普及しています。


ただし、評価を下げるスキームを実行するのは、専門家に任せる必要があり、内容によっては、かなりのコストがかかる。


そういったこともあって、中小企業の事業承継は難しく、引き継ぐ人間にとって、魅力が少なくなってきていました。
廃業すると雇用の減少につながり、経済衰退の一因にもなります。



 

せっかく自身が立ち上げをして我が子のように一緒に成長してきた会社を継いでもらう事への対策が不十分な事によって廃業してしまうというのは単純に「悲しい」以外に言いようがないですね、、。



平成30年より事業承継税制が大きく変更となった

 

はい。そういった背景から平成30年から事業承継税制が大きく変更されることになりました。


事業承継時の株への課税が、大きなネックとなるのなら、その問題を払拭しよう、
というのが、平成30年から、施行された「新事業承継税制」です。


簡単に言えば、先代社長が保有する株を後継者が、100%引継ぎ、代表として経営を承継するなら、その株に対する贈与税、相続税を100%猶予しよう、という画期的な制度です。


ただし、あくまでも免除ではなく猶予ですので、それを適用し、猶予を続けるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。



 

これは確かにおっしゃるとおり画期的な事ですね!
相続、贈与等の税金面を一旦気にする事がなく、承継初期の時点で出鼻をくじかれる事なく事業に注力する事ができますね。


もう一つ言ってしまえば会社の株価を下げつつこの制度を利用するのが事業承継にとって最も良いという事になるんでしょうか?



 

そうですね。


一言でまとめるならそういう事になります。
まとめていただいてありがとうございます(笑)。



事業承継についてはどこへ相談すればいい?

 

ただ、理屈はわかったとしても難しい事には変わりありません。


こういった時って自分ひとりで決めるのも難しいですし出来ることなら誰かに相談したいんですがどうお考えでしょうか?


税金面を考えると税理士さんに相談するというような考えでいいんでしょうか?



 

事業承継対策は、複数の専門分野の知識が必要です。


税金、法務、金融、最近では信託が注目されています。
まずは、私どもにご相談下さい。


様々な角度からのヒアリング後、その企業様の特性、規模やオーナー社長との相性を考慮し、一番適切と思われる専門家とお引き合わせします。



 

なるほど。
事業承継コンサルタントですね。


先ほど事業承継について細かな準備をしておく必要があるとおっしゃられましたがその細かな部分ってどんな準備なんですか?



 

会社を相続させる場合やM&Aといって会社を売却する事によってもまた条件は大きく変わります。
以下の図を見てもらいましょう。



事業承継計画を立てる際に必要な準備

事業承継の計画を立てるには以下の図の5つの項目についての現状を正確に把握しておく必要があります。


事業承継計画時に考えなければならない5項目


そして考える選択枝はこれだけではありません。
事業承継には3つの方法があります。

  • 親族内承継
  • 従業員等への承継
  • M&A

これらの方法がありますが、1つ1つにメリットとデメリットがあるので、これらを把握し適切な事業承継の方法も考えなければなりません。


各事業承継の方法のメリットとデメリット

親族内承継

メリット デメリット
  • 内外の関係者から受け入れられやすい
  • 後継者を早期に決定し後継者としての教育の準備期間を長く取ることが出来る
  • 相続等による財産や株式を後継者へ移転が可能であるので所有と経営の分離を回避出来る可能性も高い
  • 親族内に、経営の資質と意欲を合わせ持つ後継者が不在の可能性もある
  • 相続人が複数の場合は後継者の決定や経営権の集中、分散等で後継者以外の相続人への配慮が必要となる

従業員等への承継

メリット デメリット
  • 親族内の除く、会社の内外から候補者を選ぶことが出来る
  • 社内で長期間勤続しており会社の状況を深く知っている候補者を選ぶことが出来る
  • 人望のある優秀な社員へ承継することで経営の一体性を保ちやすい
  • 候補者の候補となる人物が経営の意思が強く持つ候補者がいない場合がある
  • 候補者候補に株式取得等に必要な資金力がない場合が多い
  • 個人債務保証等の引き継ぎが難しい

M&A

メリット デメリット
  • 身近に候補者がいない場合においても幅広い候補者を外部から確保する事が出来る
  • 現オーナー社長が会社売却の利益を得ることが出来る
  • 現オーナー社長の求める条件を満たす条件を提示出来る買い手を見つける事が難しい
  • 経営の一体性を保つ事が難しい

このように、承継する方法を選ぶ事から、どういった準備をする必要があるのか、また長期間の対策となるため状況の変化に対応出来るように手を打っておく必要があります。


その為、万が一に備え、二の手、三の手も考えておくことも重要です。


 

確かにこれはややこしいしわかりにくいですね。
自身にとってどれが最適なものなのかわかりにくいですね。


それにどうすることが一番自社にとって良い承継なのか迷いますし、会社の業績とかによっても考えを変えなければならなくなりそうですね。


ただ、何にしてもこの新事業承継税制によって一旦は相続税・贈与税を考えず現状を引き渡す事が出来る仕組みはオーナー社長としては安心ですね。



 

この新事業承継税制はかなり画期的なものなのでこれまで税法、会社法等を駆使して費用を掛けていた事が今回これを適応する事によってほとんどコストが掛からずに最も良い形での承継出来る事が出来るようになりました。


残念ながら、これまでの対策が無為になってしまうケースも出てきます。


スポーツでルールが変わったのと同じくらいの変化です。



 

そうなんですね。


イマイチ複雑な仕組みなのでピンと来ないのですが、じゃあ今後の事業承継においてどんなことを優先して、考えていけばいいのですか?



 

企業によって対策は全て違うので一概にどれがいいというのはこの場で申し上げることは難しいです。
身内に相続させる場合は自社株の評価を下げることを考えます。


万一、猶予の条件から逸脱し、猶予税を支払う必要があることを考えれば、評価が低いに越したことはありません。


逆にM&Aの場合は企業価値を高めて高く売却したいと思うので、評価を下げるスキームは避けるべきです。


まずはオーナー社長からお話を詳しく聞かせて頂いた上で顕在的・潜在的を明確にし、何度も意見を調整し、対策を実行していくという流れになります。


また、対策後も定期的に状況を報告する義務があり、末永く、お付き合いしていただくことになります。



 

とりあえず考えるべきことは自身が設立した会社をどうしたいのかという事を鮮明にしておく事ですよね。


それを明確にした上でじゃあ、会社をこのようにしたいけどどうしたらいいのか?
という事を事業承継コンサルタントを通じ相談される事がいいですね。



 

そうですね・・・・・。
事業承継対策は、今回の新事業承継税制を適用することにより、最大のネックであった、自社株に対して課税されていた税金から解放されます。


いくつか要件をクリアする必要がありますが、ハードルは高くない。


ただし、相続対策は、それだけでは不十分です。


相続人が一人だと問題はありませんが、複数の場合は、他の相続人に対する対策が必要です。


例えば、二人兄弟の場合
兄が、父(=オーナー社長)の株を100%引き継いだとします。


とりあえずは、それに対する税金は猶予されて、会社を手にすることができます。


弟に会社の価値に相当する資産を準備することができれば、問題ないですが、それは難しい。


ある程度の不動産、預貯金を残すことができたとしても、それに対しては、通常の相続税が課せられてしまう。


また、別の機会があればお話ししたいと思いますが、事業を承継しない他の相続人の方への財産の分配の仕方を考え、それを準備することも、後継者にズムーズの事業を継がせることを考えることと同じくらい重要なポイントです。



 

本当に奥が深い・・もっと単純でシンプルなものだと思っていました。


勉強になりました!
今回はお忙しいところありがとうございました。



事業承継についてのまとめ

事業承継は「後継者に事業を承継させること」という言葉で言うと非常に短いもので、ピンとこないかもしれません。


実際にお話を聞いてみると無対策で後継者へ事業を継いでもらう事が相続される次期オーナー社長へ最善の形で事業へ着手してもらう事は非常に難しい事であるんだなという事を痛感しました。


事業としても継いでもらうなら最高のパフォーマンスで、自分の代以上の発展をして欲しいと誰もが考えると思いますので余計な事を考えず事業に注力して欲しいというのが本音ではないでしょうか。


税金面で、頭を悩ませて欲しくないし、それでいて兄弟、姉妹間で力を合わせ一丸となって会社を存続し、更には次の世代へバトンタッチして欲しいけれど相続人の中で不公平さを感じて大きく揉めてしまう会社が良い結果を残す事はよほどの事がない限り非常に難しいので、こういった面においてもあらかじめある程度の予測や、しっかりと話し合える環境を作りしっかりと準備を行った上で、事業承継を行うというのが最善の形であるとゼニエモンは考えました。


その為には、やはり自身は事業に注力しながら時間を掛けて事業承継時についてを練ってくれる事業承継コンサルは必要であると感じます。


今回お話を聞かせて頂いた株式会社アズライトの紀伊國谷さんは多くの事業承継に携わり経験豊富で良いも悪いもたくさんの事例を見られてきた方で、今回のインタビューではまとめきれない程の事例や情報を多々教えていただきました。


もし、この記事をお読みいただいた事業主の方で事業承継はどんな準備が具体的に必要なのか、一度じっくり話を聞いてみたいという方がいた場合は、相談を受けてもらえるかという質問に対しても快くOKを頂きました。


真剣に事業承継の準備を行っていきたい意向がある人はは一度お話を聞かれるのをおすすめします。


今回お話を聞かせて頂いた会社の情報

会社名 株式会社アズライト
設立 2003年12月
所在地 神戸市中央区御幸通6-1-10オリックス神戸三宮ビル 10階
電話 078-241-0358
代表取締役 紀伊國谷 隆
会社ホームページ http://www.kinosan.jp/


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