返済の滞納をした場合の信用情報はどうなる?
一般的に知られていますが、返済を怠ると、信用情報に傷が付きます。
これを、いわゆるブラックリストに記載されると呼びます。
ただ、ブラックリストに載るといっても、どういう行為、どういう状態がブラックリストの扱いになるのかということを解説してる本や、ウェブサイトはほとんどありません。都市伝説化していて、正しい情報が少ないです。
そのため、ここでは、「支払いを滞納したことがある。」「支払いを何回遅れたらブラックリストに載るの?」「え?俺のやってることはアウトなの?」と、疑問に思いやすい部分を、ゼニエモンが調べに調べた情報を元に、解説していきたいと思います。
延滞・滞納はどういう行為のこと?
まず、延滞や滞納とは、どういった行為を指すのかを明確にします。
キャッシングやカードローン、携帯端末の分割払いなどは、毎月決められた日までの支払い(約定返済)か、もしくは、35日以内(サイクル制)に返済をしなくてはなりません。
これを約定返済といい、契約書を見ると必ず、記載されています。
自身で支払日として設定するわけですが、最近は毎月決められた日に返済をする人の方が多いです。
35日だと返済期日が毎回月に5日ずつずれるため、段々と管理が面倒になります。
決められた日に振込設定や振替設定をしておけば忘れることはなく、業者も推奨しています。しかし、カードローンの場合は、ATMから直接借り入れと返済を行う方が多いです。
逆に、クレジットカードであれば、口座振替をする人がほとんどだと思うので、支払日までに引き落とし金額以上の金額を入れているのであれば、振込日を忘れて延滞になったということは起きないです。
話は本題に戻りますが、滞りなく返済していくのが通常ですが、決められた日に支払わずに期日を過ぎてしまうと、支払い遅延になります。
そして、支払いの遅延が2ヶ月経つと、延滞の状態になります。
なお、滞納とは、支払いの義務はあるものの、支払いをしていない状態のことです。
滞納をすると遅延損害金を支払うことになる
返済に遅れてしまうと、返済した日数に応じて遅延損害金が発生します。
遅延損害金は、遅延利率によって計算しますが、この利率は業者によって異なります。
遅延利率は、最大で20%となっており、多くの場合はこの最大の利率に設定されています。
計算方法は、
借入額(元金)×遅延損害金年率 ÷365日 × 延滞日数
以上のようになっています。
なお、遅延損害金は利息とは別に支払うことになります。
滞納は何回しても大丈夫なの?
「滞納は何回しても大丈夫なのでしょうか。それとも、1回でもしてしまうとブラックリストに載るのでしょうか。」というご質問をいただくことがよくあります。
実は、ブラックリストというデータは存在せず、信用情報機関に金融事故が記載されることを、ブラックリストと呼びます。
ただ、明確に◯回滞納したから信用情報に傷がつくという、明確な線引きはされていません。
どのような対応を取るかは金融業者やカード会社の個々の裁量次第となります。
滞納を1回でもしてしまうと金融事故として指定信用情報機関に記載され、カードローンの利用が停止されることもある一方、何度返済を忘れてしまったという場合でも、信用情報の情報更新が行われる前に返済していたので滞納扱いにはならなかった、というケースもあります。
銀行カードローンは少しでも遅れたら滞納扱いとなる
銀行カードローンの場合は、少しでも返済期日を過ぎると滞納の扱いとなります。
1日遅れ、2日遅れ、1週間遅れなど、日をずらして2社ほど数ヶ月かげて調査しましたが、信用情報はこのようになりました。
2社の大手のカードローンを利用し確認しましたが、1日でも遅れるとアウトで、「×」マークがしっかりと記載されます。
銀行カードローンを利用する人は、この滞納歴は丸2年残ります。
※保証会社もCICに信用情報が記載されますが、代位弁済など保証会社が弁済しなくてはならない状況になるまでは、基本的に、信用情報は返済が履行されているという記載になります。
消費者金融(貸金業者)などは信用情報更新時までに返済しておけばOK!
貸金業者は、信用情報の更新は返済義務のある契約者の場合、月に1度月末など、業者ごとの決められた日に更新します。そのため、その時までに入金されていれば、滞納扱いになりません。
何度か試しましたが、滞納した即日、または翌日に滞納したという扱いにはなりません。
月に一度の情報更新日までに間に合えばOKです。
大手消費者金融すべてで試したので、業者名の記載も検討しましたが、ここで業者名を挙げてしまうと、「負」の情報になってしまい、業者と利用者の双方にとって不利益を生みかねないため、伏せさせていただきます。
例を挙げると、このようなイメージです。下の画像は、CICの信用情報の開示した一部の情報を紹介しています。
このように、返済履歴などの報告日が月末の業者だったため、初回の返済日である5日を過ぎ、47日間返済を行いませんでしたが、信用情報に滞納扱いになることはありませんでした。
ただし、もちろんですが、この間は、催促の連絡が数回ありました。
滞納でも1、2回程度であれば、理由は定かではありませんが、「何らかの事情があったため、引き落としできなかったのかな?」というような感じで、配慮してくれているのではないかと思います。
滞納があったからといって、返済能力が十分で、勤続年数が長いという人は、クレジットカードやカードローンの審査には、そこまで悪影響がないです。
滞納がマイナス要因になることは間違いないですが、1、2回の返済遅れが、直接的な原因として新たな審査に通らなくなるということはありません。
しかし、それが3回以上など頻繁に起こるとすれば、話は別です。
3か月連続で続いたり、累計回数が6回を超えりすると、それは事故であるということは間違いなく判断されます。よほどの理由がない限り、払えるのに払うのを忘れたり、渋ったりはしないように意識しましょう。
返済日から2か月以上無視すると……
返済の予定日から、2か月以上返済をしないと、世間で言われているブラックリストに例外なく載ります。
この段階での影響力は大きく、すでに新しいカード発行はできません。
それに、利用中のカードの枠の縮小され、最悪カードの利用停止になります。
また、他のローンに対しても影響が出てきます。
利用停止になっても、もちろん返済義務は残るので返済は続けなければなりません。また、行き過ぎると、「期限の利益の喪失」が起こり、契約も異動となります。
この時点で強制解約ですが、債務は残ったままなので、信用情報には完済してから5年間はこの情報が残ります。
この状態の場合は、何やってもクレジットカードやカードローンは利用できません。
また、自己破産と違い、債務だけは残る形なので、中小の消費者金融も融資に前向きではありません。
こうした状態が、異動扱いとなった業者へ完済しても、完済から5年間は続くため、信用情報としては大ダメージです。
さらに、もしも「期限の利益の喪失」が起こった場合、一括返済を求められることにはなります。
そして、ここでも返済をしないと、裁判所から支払催促の通知が送られます。
異議申し立てをせず、ここでも頑なに無視すると、強制執行である差押処分となるため、放置すればするほど自身の首を絞めてしまいかねません。
裁判所から支払い催促がきた場合は、異議申立を行い、業者側との折り合いで、どういう風に完済するかどうかというのを話し合いで決めることになります。
ここまで申告になる前に、支払いが厳しい場合は、遅れても数日レベルに抑え、長期滞納は避けるようにしなくてはなりません。業者へ連絡すると、最悪利息分の支払だけでも柔軟に対応してくれるので、一度相談をしてみるといいです。
なんにしても、開き直って言い合いをしたり、無視したりすることは自分自身にもマイナスなので、やるべき行為ではありません。
1度に各社から返済だけを迫られる精神的な圧迫感は本当に気持ち的に参るので、ローン業者は敵に回さず味方につけるような利用をするのがベストです。
ブラックリストに載っている人はかなり多い
ブラックリストに載っている人に直接会うことはないため、ブラックリストに載ることは珍しいと思うかもしれません。
しかし、CICだけを見ても、実は400万人ほどの人が、ブラックリスト扱いになっています。
登録情報件数
件数 | 人数 | |
---|---|---|
貸金登録情報量 | 18,373万件 | 7,428万人 |
うち残高有り情報量 | 1,687万件 | 1,131万人 |
うち異動情報 | 553万件 | 411万人 |
※2020年5月20日現在
うち残高有り情報量の人は、CICに登録している業者を利用している人で、借入残高のある人の人数です。
うち異動情報の人は、残高がある人のうち、ブラックリストになっている人の人数です。
つまり、借入をしている1,131万人のうち、ブラックリストが411万人いるため、約36%の人が借り入れをしてブラックリストに載っているのです。
公共料金を延滞するとブラックリストに載るの?
日々の支払いの中には、カードローンやクレジットカード以外にも、水道・電気・ガスなどの公共料金の支払いがあります。
これらの支払が遅れた場合はどうなるのでしょうか。
結論から言うと、公共料金は延滞をしても、ブラックリストに載りません。
ブラックリストは、あくまでもCICやJICCなどの信用情報機関に属している金融業者でのやり取りで延滞した際に載るものです。
その管轄に入っていない公共料金の支払いは、延滞したとしても記録が残るということはありません。
つまり、ブラックリストにならないということは、審査にも影響が出ないということです。
ただ、注意点があって、公共料金をクレジットカードでの決済にしている場合は、ブラックリストになる可能性があります。
クレジットカード決済にしている場合は延滞情報がクレジットカードになる
たとえば、請求書支払いや口座引き落としにしている場合は、先ほど説明をしたようにブラックリストにはなりません。
しかし、クレジットカードでの決済に紐づけていて延滞した場合はNGです。
クレジットカード支払いの場合、まずはカード会社が支払いをします。なので、公共料金の延滞をすることはありません。
しかし、その支払いをした月のクレジットカードの支払いができないと、クレジットカードの延滞になるため、これはしっかり信用情報にのります。
クレジットカード支払いにするのは楽ですが、うっかり支払いを遅れてしまうのが怖いという方は、請求書支払いか口座引き落としがおすすめです。
滞納しそうな時は、電話したら許してもらえるの?
支払の延滞をどうしてもする場合は、業者へ連絡することは必須です。返済が3日遅れになる場合などでも、必ず連絡したほうがいいです。
電話で連絡をすれば、改めて決めた支払日になるまでは、督促がされなくなります。
ただし、事前に説明しておけば、自分の信用情報はきれいなままかというと、これは違う話です。
事情は理解してくれたとしても、信用情報の更新日に返済がなかった場合は、事故情報として信用情報機関に記載されます。
つまり、業者に了承してもらったとしても、他社の審査の際には事故情報は把握されるので、信用的には通常通り「遅延してしまい事故」として扱われます。
ただし、業者に連絡を入れるということは、誠実さとモラルを考えると、間違いなく業者にとって心証がいいということは間違いありません。
とにかく、連絡を取らないのは、絶対的に不利になるのでやめたほうがいいです。
たとえば、友人に5万円貸したとします。その友人の連絡が急に取れなくなると、とても不安になりますよね。
「ひょっとしたらこのまま踏み倒すつもりなんだろうか?」
と、心が落ち着かない感覚になると思います。
それは、業者も全く同じです。
とにかく、お金のやり取りは、連絡が取れなくなることや長期的に延滞されることが何よりも怖いことではありますが、いつの時代も借りた方が立場が強いのが実状です。
では、実際にどうすればいいのか、ということですが、キャッシングを利用して借入をした時の毎月の返済金額は、業者ごとに設定されています。
返済金額は、利息分+元本で構成されているのですが、この利息分だけでも返済すれば大丈夫です。
つまり、毎月の利息は、5万円なら750円、10万円なら1500円、50万円なら7500円、100万円なら15,000円というイメージです。
ミナミの帝王でいう「ジャンプ」というもので、利息だけ支払い、返済期間を伸ばしてもらうというイメージです。
利息を返済するだけでも、その月の支払金融事故として処理されません。
なので、自分の信用情報に傷はつきません。
基本的に、毎月の返済は必ず行わないと信用情報はマイナスになるということは覚えておきましょう。
滞納した場合
滞納をしてしまった場合、返済をしない限りは以下のような流れで進んでいきます。
- メールやSMS、電話での連絡
- カードの利用停止
- 督促の連絡
- 一括返済の督促
- 差し押さえ
それぞれの段階を詳しく説明していきます。
まずは、メールやSMS(ショートメッセージングサービス)、電話などで、状況の確認が行われます。
この連絡は、返済が1日でも遅れると来ることになります。
この時点で連絡をして、返済について相談すれば、大きな問題になることを避けることができます。
メールやSMSでの連絡を無視すると、カードの利用が停止されることになります。
このタイミングで返済をすれば、数日はかかりますが、カードの利用を再開することができます。
それでも滞納を続ける場合、支払いの催促や督促を受けることになります。
連絡は、電話や郵送で行われることになります。
なお、プライバシーを守るために、本人以外には督促であることが分からないように連絡がされます。
この段階でも、しっかりと遅延損害金を含めて返済をすれば、問題ありません。
督促も無視した場合、借入金の残高と遅延損害金の一括返済を求められます。
一括返済の督促の際は、内容証明郵便が利用されるため、届いていないという言い訳をすることはできません。
一括返済も無視をすると、裁判所から強制執行が行われ、財産の差し押さえが行われます。
差し押さえは、実施される前に予告通知や督促が来ます。
このタイミングで返済や異議申し立てを行わないと、財産の差し押さえが行われます。
滞納を防ぐ方法
滞納を防ぐ方法は、以下の4つがあります。
- 追加の借り入れをしない
- 毎月の支出を見直す
- 借入金の管理
- 早めに連絡をして相談する
詳しくは以下の通りです。
滞納を防ぐためには、追加の借り入れをしてはいけません。
借り入れをどんどんしてしまうと、気づいたときには借入額を多くなってしまっていて返せなくなっていた、という事態が起こります。
そのため、追加の借り入れは基本的には行わず、完済をしてから次の借り入れを行いましょう。
毎月の支出を見直すことも、滞納を防ぐためには大切です。
支出を減らすことで、浮いたお金を返済に回すことができます。
返済が滞納しそうな時は、大きな買い物や旅行などは我慢し、必要最低限のことだけにお金を使うようにしましょう。
カードローンを利用している際に、借入額が分からなくなることがよくあります。
借入額が分からない場合では、返済の計画を立てることができないため、借入金の把握はとても重要です。
借入残高や毎月の返済額を確認することで、どれだけの負担があるかを確認することで、お金を使い方が改まり、滞納を避けることができます。
何よりも大事なことは、早めに借入先に連絡をすることです。
実際に滞納する前でも、滞納しそうなことを連絡すれば、業者は対処方法を一緒に考えてくれます。
怒られるのが嫌で連絡をしたくないと思う方はいるかもしれません。
しかし、業者としては、事前の相談ンはありがたく、むしろ連絡なしに滞納された場合の方が、問題になってしまいます。
滞納しそうな場合は、すぐに業者へ連絡をするようにしましょう。
滞納中に借り入れを行いたい場合
滞納中に借り入れを行うことはとても難しいです。
なぜなら、業者からしてみれば、お金を貸しても返してもらえない可能性が高いからです。
しかし、中小の消費者金融であれば、大手よりは借り入れをしやすい傾向があります。
そのため、滞納中に借り入れをしたい場合は、中小の消費者金融に申し込みをしてみましょう。
以下のページに、中小の消費者金融について詳しくまとめていますので、参考にしてください。
ただし、滞納中でも借り入れができることを押し出してくる闇金も多く存在します。
間違えても、闇金からの借り入れはしないようにしましょう。
返済の時効を成立させることは難しい
カードローンの返済には、5年間という時効が存在します。
時効の期間が経過したら、内容証明郵便で時効の援用を通知することで、時効を成立させることが可能です。
しかし、5年間経てば必ず時効が成立するわけではありません。
時効を成立させるには、その期間で債権者が債権を行使していない必要があります。
そのため、その期間の間に裁判が行われれば、時効の機関は中断されます。
5年間で裁判が行われないことはまずないため、時効の成立はまず無理であると考えてください。
まとめ
ざっとまとめてみると、
これだけは抑えておくようにしてください。
滞納は他のローンに対しても影響があるので、あそこから借りられなくてもまだ別のところで30万円借りれるし、と安易に考えてはいけません
また、連絡を無視すると職場や自宅にも電話が掛かり、催促の連絡も3日に1回は行われるようになるため、精神的にもよろしくありません。
借りている業者に返済が難しいという場合は、一度相談し、それでも無理そうなら、より低金利で返済額の低いカードローンへの借り換えを行いましょう。
そして、どうしようもないという時は、債務整理を弁護士や司法書士の法律事務所へ相談して行いましょう。
ゼニエモンの滞納実体験から得た人生の教訓
ゼニエモンの個人的な意見で、違う方もいると思いますが、滞納している時、踏み倒したいからひたすら無視している時は、
- そこからの人生、どれだけ預貯金ができてもそれが取られるかも知れないという恐怖
- 給料を貰っていても給料の差し押さえされたらどうしようという恐怖
- 借金でここまで焦げ付いている事を近所の人に知られたらみっともない
などのように思い、信用情報以上に人生を歩む上で後ろ向きになります。
さいわい、法的にも手段として借金を解決する方法が明確にある現在は、必ず借金の問題は解決出来るようになっています。
必ず解決できる問題で、金の話を聞くだけで苦しい気持ちにはなりますが、解決出来た後には、それが解消された開放感や自信と意欲的で生き生きとした自分自身が必ずいますので、滞納を続けて信用情報が心配という場合は、以下の関連ページもぜひ読んでみてください。
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